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フィンランドの国花、初夏に咲くスズラン。フィンランド流お花をインテリアに取り入れるコツ

+Hコラム
2021.04.13

毎回pluseitchがお届けしている気まぐれコラム。
今回はフィンランド在住のライター、ラサネン優子さんが
フィンランドの国花スズランについて綴ってくださいました。

暗く寒い冬が長い北欧、フィンランドにも春の兆しが見え始める季節になってきました。
今年の冬は、首都ヘルシンキでもマイナス25度くらいまで下がる日があり、
例年以上に雪が降り積もり厳しい寒さでした。
バルト海も分厚く凍り、その上を散歩に出かけたり、スキーやスケートなど
ウィンタースポーツを楽しむ人々の姿も多く見られました。

ようやく雪が溶け始め、海の氷は緩み、森の中には心地の良い水の音が流れ、
鳥のさえずりも聞こえてきました。

フィンランドの国花、初夏に咲くスズラン
フィンランドの国花である、スズランの開花時期は、5月から7月頃。
フィンランドの湿地の森や、家の庭などに咲き、古くからフィンランド人にとって身近に存在する花です。
そして、初夏の訪れを感じさせてくれる花として広く親しまれています。

夏の屋外マーケットなどでも売られ、爽やかなグリーンと真っ白な花が涼しげで、
フィンランドの夏の風物詩です。

国花と言っても、国民の投票により、イメージとして決められたもので、
日本の桜と同様に、フィンランド人にとってスズランは大切な存在です。
国民に広く愛され、切手の絵柄やデザインのモチーフとしてもよく使われています。

初夏、サマーコテージに咲くスズラン

フィンランド流お花や植物をインテリアに取り入れるコツ
実際に家の中でスズランの花をどのように活けているかというと、それは至ってシンプル&ナチュラルです。
花器は圧倒的にクリアカラーが人気!
特に、スズランの爽やかなグリーンと清楚でピュアな白い花にはシンプルなガラスの花器がピッタリと合います。

ポイントは、凝った感じで活けるのではなく、あまり手を加えずに花本来の自然な雰囲気を残しつつ、
たっぷりの水を入れたクリアな花瓶にドボンと入れるのがフィンランド流。
透明感のある澄んだ水とクリアガラスから、スズランの生き生きとした茎も見ることができ、
涼しげな雰囲気を演出します。

また、スズランの花は湿気に弱く、風通しのよい場所に置くのが基本で、
小ぶりの花からは良い香りがふんわりと風に乗って広がり、
お部屋の中をほのかな柔らかい香りで包んでくれます。
見て楽しむだけではなく、フレグランスの役割も果たしてくれるのが魅力です。

広がりのある葉の間から、真っ白なコロコロとした花が
顔を出す

フラワーベースの曲線と葉の動きが相まって
躍動感が出る


夏には森で摘んだブルーベリーでパイを作り、
その横にそっとスズランの花が添えられる

フィンランドの人々は、自然本来の美しさを生かし、シンプルながらフィンランドの素敵なデザインをプラスして
インテリアコーディネートに取り入れ、心地の良い空間で暮らしています。

文・写真 ラサネン優子 Yuko Räsänen
2015年よりヘルシンキ在住。ライター・コーディネーター。
著書『デザインあふれる森の国 フィンランドへ』(イカロス出版)より発売中。YouTubeチャンネル『北欧フィンランド暮らし Moi Finland』にてヘルシンキの街歩きをはじめ、デザインや暮らしの風景を配信中。
コーディネーターとして企業視察や個人旅行など、フィンランド及びヨーロッパと日本をつなぐコミュニケーション全般に携わる。
ライターとして、フィンランドのライフスタイルや暮らしの様子などを日々発信している。

https://www.yukorasanen.fi